15、幸せな未来を夢見てもいい?

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 ケーキまで全部食べ終わったところでまったりしていたけど、今のうちに渡しておこうと思い立ち、さっき買ってきたばかりのものを取り出す。 「はい、クリスマスプレゼント」    テーブルの上に袋を置くと、慧は私に断ってから包みを開ける。中から出てきたものを見た慧は、無表情でそのうちの一つを手に持つ。 「これを俺に使えと。自分が欲しかっただけなんじゃないですか」 「バレた?」  私が選んだのは、猫の顔と耳がついたペアの可愛いマグカップ。自分がほしかったのもあるけど、慧の部屋シンプルなものばっかりだし、可愛いものがひとつくらいあってもいいんじゃないかなと思ったんだけど。  てへと舌を出すと、慧はカップを二つ手に持って立ち上がる。 「ありがとうございます。使いますね」 「絶対使ってね」  キッチンにそれを置きに行く慧に念を押してみたけど、それには無反応。本当に使う気あるのかなぁ。   コップを置いてリビングに戻ってくると、慧は引き出しから小さな箱のようなものを取り出してこっちに戻ってきた。 「俺からも」 「わあ〜ありがと〜。開けてもいい?」 「どうぞ」  許可をもらったので開けてみると、箱の中には二つの指輪。両方とも指輪本体の真ん中がローズゴールド、両端がシルバーになっていて、小さい方の指輪だけ一部がリボンのデザインになっていた。 「可愛い……っ」 「前一緒に見に行ったけど、結局買わなかったじゃないですか。もう俺たちが付き合ってることはみんな知ってるし、いいですよね。気に入らなかったら返してこようと思ったけど、……大丈夫そうですね」  すっごく好みのデザインでうっとりとそれを見つめていると、横から話しかけられてコクコクと頷く。 「私こういうの大好き。ありがとう慧」 「気に入ってもらえたなら良かったです」  にこっと慧に笑いかけると、慧はわずかに視線を泳がす。
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