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「つけてもいい?」
「うん」
リングケースから大きい方の指輪をとって慧の右手の薬指につけると、慧も私の同じ指に指輪をつけてくれた。
「かわいい〜♡」
彼氏とペアリングなんて初めてだし、慧が買ってくれた指輪がすごく好みで、嬉しくて嬉しくて勝手に顔がニヤけちゃう。自分の右手の薬指についた指輪を見ていると、顔を傾けてきた慧に唇を押しつけられた。
「……いきなりだね」
「可愛いかったから」
不意打ちのキスに驚いていると、そんなことをしれっと言われたので、ますます反応に困ってしまう。置き場のなくなった手で、慧の腕を掴むと、また顔を傾けて唇を重ねられ、軽く唇を吸われる。
「んっ」
そのままキスが深くなる前に慧の胸を軽く押して、やんわりとその腕から逃れる。もちろん嫌なわけじゃない。けど、このまま本格的にえっちする雰囲気になる前に、今日は話しておきたいことがあった。
「慧に話したいことがあるの」
「何?」
途中でキスを止められた慧は少し不満そうにしながらも、それでも話は聞いてくれるみたいだったので、二人でベッドの端に座って話すことにした。
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