3、どうしようもない女でごめんなさい

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 目を覚ますと、床に脱ぎ捨ててある服を着ている磯川くんの姿が目に入った。スマホを見ると、午前6時。大学に行くにしては、まだ早い時間だよね。 「もう帰るの?」 「あ、うん。今日彼女と旅行なんだ」 「え?」  声をかけると、気まずそうに視線を逸らした磯川くんに私も目が点になってしまった。ちょっと待って、彼女と旅行する前日(というよりも当日)に私と四回もヤッたの?この人。  とりあえずいったん落ち着こうと私も服を着て、ベッドのふちに座る。すると、磯川くんも私の隣に座った。  隣に座ってるのに磯川くんはどこかよそよそしくて、昨日のほとんどゼロだった距離感が嘘みたい。 「いっこ聞いていい?」 「答えられることなら」 「いつもこういうことしてるの?」 「してないよ。浮気したのは今回が初めてだ」 「そうなんだ。じゃあさ、どうして彼女と旅行する前日に私としたの? 彼女と上手くいってなかったわけじゃないんだよね」 「彼女とは上手くいってる。でも……」 「でも?」  視線を泳がせる磯川くんに続きを促すと、彼は気まずそうに目を伏せる。 「のんちゃんに惹かれたのもあるけど、今の彼女が初めての彼女で、このまま付き合い続けていいのか分からなくなってたんだ。もう少し他の女の子も見た方がいいんじゃないかって」 「それで、どうだった?」 「それは……。正直に言ってもいいの? のんちゃんが傷つくかも」 「言ってよ。私は大丈夫だから」  言い淀む磯川くんに続きを促すと、彼はためらいがちに口を開いた。
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