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「あれから就職のこと考えてたんだけどね、出来れば出版社に入りたいなって今は思ってるんだ」
「出版社ですか」
「うん、ゼミの先輩が出版社のインターンやってみない?って紹介してくれてね。色々話聞いてたら面白そうだし、文章書いたり読んだりするのは嫌いじゃないし、良さそうだなって」
学部も文学部だし、ゼミだって社会系で社会のことや文学のことを勉強してきた。先輩が紹介してくれたとこは女性向けのソフトなとこだから、あんまりゼミの内容はいかせなさそうだけども。それでも、すっごくありがたい。
「今のバイトやめるんですか?」
「短期インターンだし、バイトやめちゃうと生活出来なくなっちゃうからやめないけど。でもなるべくインターンの方を優先しようかなって思ってる」
「いいじゃないですか。インターン行くと、多少は有利になるんですよね?」
相槌を入れながら話を聞いてくれていた慧に、うんと頷く。
「多少はね。そこに就職出来るかは分からないけど、とりあえず目指してみるつもり。でね、最終的には独立して、フリーライターになりたいんだ」
「フリーライター?」
「うん。昔見た海外ドラマの主人公がフリーライターで、世界を旅しながら好きな時に仕事してたのに憧れがあったんだ」
「そういう働き方もありですね」
現実はそんなに甘くはないんだろうけど、まあ一応それを目指す方向ってことで。考えてることを慧に話すと、慧も応援してくれるみたいな感じになったけど、本題はここから。
これから私が言うことに、慧はどんな反応するかな。少し緊張してしまい、ひとつ息を吸ってから口を開く。
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