18、まだ恋人でいたい

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 一花が口を開きかけたとき、ちょうど一花のスマホの通知音が鳴る。一花は一瞬それを気にする素振りを見せたけど、すぐにスマホを置く。 「返信しないの?」 「後でするから大丈夫。今はのんの方が大事」 「一刻一秒争ってるわけじゃないし、返信してあげてよ。彼氏からかもしれないし」 「そう? じゃあそうさせてもらおうかな」  渋っていた一花に返信を促すと、ようやくスマホを取って文字を打ち始める。 「彼氏?」 「うん、今何してるって。大した用事なさそうだったから、今のんと話してるからまた後でねって返信しといた」 「順調そうで良かった」 「順調……、だね」  少し照れながらも幸せそうに笑った一花を見ていると、私まで笑顔になる。  年明け辺りから、一花は前々からいい感じだったバイト先の人と付き合い始めた。私も一回会わせてもらったけど、すごく優しくていい人そうで、この人なら一花を任せても大丈夫だなって安心したんだ。  一花にはいつもいっぱい助けてもらってるし、松尾先輩のこともあったから、一花には本当に幸せになってほしい。 「一花が幸せだと私も嬉しい」 「それは私もだよ。のんには幸せになってほしいなって思ってる」  真剣な表情でそう言われ、うんと頷く。  結局また慧ともこんな状態になっちゃって、一花にはたくさん心配かけてるよね……。
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