19、最初からそんなつもりなかったと思うよ

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 恩田先輩はサークルに入った当初からいつも優しくて、でも言うべきことはちゃんと言ってくれる厳しい部分もあって、先輩として人としてすごく尊敬してた。  尊敬出来る先輩だとは思ってたけど、最初の方は恋愛対象としては意識してなかったんだよね。  だけど、私のことを好きなわけでもないのにただ先輩としての好意から面倒を見てくれて慰めてくれる恩田先輩の人の良さに惹かれていって、男性としても意識するようになって。それで、尊敬が恋に変わるのに、そんなに時間はかからなかった。  たぶん恩田先輩は私を女としては全く見てなかったと思うんだけど、押して押してとにかく猛プッシュしまくって付き合ってもらえることに。  そんな形で付き合い始めたから恩田先輩が同情で付き合ってくれてるんじゃないかって不安だったけど、「そうじゃないよ」「大好きだよ」って恩田先輩はいっぱい伝えてくれて、私のことをすごくすごく大切にしてくれて、本当に幸せだったな……。  でもそんな幸せも長くは続かなくて、一年生の秋頃から関係がおかしくなってしまったんだよね。  教師を目指していた恩田先輩は教員採用試験を受けていて、それは秋で終わったはずなんだけど、秋頃から急に忙しいとかで中々会えなくなったし、連絡も取りづらくなった。
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