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しばらくの間泣いていた私が落ち着くと、二人でカフェを出て駅に向かう。
「今日はありがとう。どうなるか分からないけど、彼氏に気持ちを伝えてみるね」
「うん、がんばれ。幸せになれよ」
「恩田先輩も」
そんな言葉と握手を交わし、笑顔で手を振って恩田先輩と別れた。
恩田先輩の気持ちを聞けて良かったな。
今さら当時の気持ちを聞けたところでもうあの頃には戻れないけど、それでも嫌いになって私から離れていったんじゃなかったんだって分かって、すごく気持ちが楽になった。
恩田先輩とはとっくに終わってたけど、ずっと抱えていた重たいものからようやく解放されたような気分。
本当の意味で、やっと終わらせることが出来たのかも。
恩田先輩のこともしっかりケジメがつけれたし、後は———。
そのあと家に帰って一花に報告の電話をしてから、これからどうするかを一人でじっくり考える。
考えがまとまると、顔を洗ってメイクを直してから家を出た。
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