20、許すとか許さないとかじゃないです

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 私の中から出ていった慧がゴムの処理をしている間に、乱れた服を直し、足元に落ちていたパンツを履く。  起き上がって一息ついていると、後ろに座ってお腹に手を回してきた慧の身体にもたれかかる。 「身体、痛くない?」 「痛くないよ」 「いきなりごめん」 「ううん、嬉しかったから大丈夫」  しばらくそうしてまったりしてたけど、私が落ち着いた頃にテーブルの上にあるものを指差された。 「中身見ないの?」 「あ。そうだったね。見てもいい?」 「どうぞ」  せっかくプレゼントもらったのに、完全に見るタイミングなくして見れてなかった。  包みを開けると、そこに入っていたのはピンク色のお花の形のネックレスだった。しかも、これって……。 「ねえ〜これさぁ」 「別に対抗してるわけじゃないですけど。 バイトの人にもらったネックレス、たまに付けてるじゃないですか。例の人とは何もないって知ってるから、付けてもらっても全然良いんですよ。ただこれはそういうのじゃなくて。花音先輩に似合いそうだったし、俺があげたものをつけてほしかったし、会えない間にバイトがんばって金も貯まったんで」  そう、慧がプレゼントしてくれたものは藤田くんにもらったものと同じブランドのネックレスだった。  めずらしく色々言い訳してる慧を横目で見つつ、ネックレスを手に取る。 「こんなに高いもの、よかったのに。でもありがとう。すっごく嬉しい。つけて?」     慧にネックレスをつけてもらってにっこり微笑むと、頬にキスされた。 「よく似合ってます。可愛い」 「えへ♡よかった。……あのね? こんなに良いものもらっておいて、ものすご〜く申し訳ないんだけど。私半年記念のことすっかり忘れてて何も用意してないの。ごめんね、今度バレンタインとまとめて用意するからっ」  言われて思い出したけど、半年記念のことも忘れてたし、バレンタインもあげてない。色々と最低だよね、私。 「別にいいですよ。戻ってきてくれただけでいいです」  再び後ろから私のお腹に手を回してきた慧の腕をそっと掴む。 「今日会いに来てくれて良かった。明日からカナダだから、今日来てくれなかったら、もう一ヶ月悶々として過ごすとこでした」 「え?」 「は?」  明日からカナダ?  言われたことが理解出来なくてフリーズすると、それを見た慧にも同じような反応を返されてしまう。
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