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「ちょ、一花どうした〜? 松尾先輩のことがそんなにショックだった?」
「のんのことが心配」
「私?」
一花はまだ一杯しか飲んでないはずだけど、もう顔真っ赤だし、目据わってるし、いきなり泣くし、これは相当酔ってるな。
松尾先輩のこともあるんだろうけど、たぶん私が心配かけてるのもあるんだろうし、彼氏と別れたての親友にまで余計な心配かけて申し訳ないデス。
「うちら二人して面倒な恋しちゃったよね」
「ほんとにね」
一花に声をかけると、それに相槌を打った一花と自然に目が合い、ニヒヒと笑い合う。
「私飲み物頼むけど、どうする? 一花はもうやめとく?」
「飲む」
「りょーかい。一花は弱いやつにしときなね」
「はいはぁい、一番強いやつにしまぁす」
「おい」
一花と語りながら飲んでいるうちにどんどんお酒が進み、何杯目の追加注文をしたとき、黒いエプロンをつけた慧が注文を取りにきた。
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