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5、楽しい夜なら問題ないよね?(問題あります)
「まだまだいくぞ〜!!」
「フー! 何これ、超楽し〜!」
バイト先のスーパーで、役職付きの正社員の人が転勤する送別会だかなんだかの二次会。正社員の大人たちは一次会だけで帰っていったけど、バイトの大学生だけでカラオケに来た。
同じスーパーでバイトしてるといっても、うちは大きなスーパーで、部門が違うとほとんど関わりもなかったりする。挨拶程度で、今日初めて話したような人も多いんだけど、そこはまあお酒の力で仲良くなって。
ライブみたいにカラオケで暴れるあっきーに負けじと、私も飛んだり跳ねたりして盛り上げる。
「あ〜もうさいっこう。幸せ〜」
曲が終わって椅子に倒れ込むと、あっきーも私の隣にダイブしてきた。
「磯川くん来てなくね?」
「それ私のせいかも」
「何でよ」
「磯川くんとシた」
「名人さぁ」
呆れたような目で見られ、肩をすくめると、あっきーは軽くため息をつく。
「磯川くんもマジかよ。真面目そうなのに意外とやるな」
「だよね。あっきーは経験あるでしょ」
「何が?」
「浮気とか二股とか」
「は、ないって」
「うっそだ〜。七股くらいしてそう」
「俺のイメージどんなよ。浮気も股がけも経験ないっすよ」
大変失礼ながら同時進行得意そうと思ってたのに、あっきーからドヤ顔で返され、ちょっと疑いの目で見てしまう。
「マジ?」
「マジマジ。付き合う時は一人ずつだから」
「意外」
「のんちゃんはいっぱいありそうやね」
「私も浮気したことはないよ?」
「お、マジか。俺たち真面目じゃん」
「別れるのは早いけどね」
目を合わせて笑い合うと、テーブルの上に置いてあったグラスを合わせてそのまま二人でイッキした。謎すぎて笑える。
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