175人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
「この後私の家で飲む人〜?」
「は〜い!」
「あ、やっぱダメ。今家超汚いから」
「え〜何それ、花音〜」
「ごめんごめん、あ〜もう私歩けないわ」
グダグダになって帰り道を歩いていたけど、足がもつれてその場に倒れこむ。
「ちょっと何やってんのこの人。ヤバいって」
「花音起きろ〜外だぞ、外〜」
アスファルトに倒れ込んだ私に爆笑しながら誰かが起こそうとしてくれたけど、その人もフラッフラになってて、何度も手がすり抜けてしまう。あ〜なんか分かんないけど、超楽しい。私も笑いながら手をはねのける。
「無理〜。今日ここで泊まってく〜」
「ここホテルじゃないから」
「寝たら死ぬぞ」
アレコレ言われるのを笑って聞き流しながら、寝そべったまま両手を広げる。風が冷たくて気持ち良い。
そんなことをしていたら、どこからかブブブブ……とスマホの震える音がした。
「スマホ鳴ってるけど誰?」
「のんちゃんじゃない? ほら、出て」
ピンク色のカバーのついたスマホを手渡され、横になった状態のままスマホをタップする。
「はい。もしも〜し、だれ〜?」
『俺です。水島慧です』
「けい〜? なに、どうしたの〜?」
『何ってさっき着信あったからかけ直して……、もしかして酔ってます?』
「ん〜? 酔ってないよ〜。今ね〜超楽しいの〜」
『今どこ』
「今? 道、かなぁ」
『どこの道だよ』
「私の働いてるスーパーの近く。
———慧? あれ、切れちゃった」
話してる途中でいきなり切られちゃったけど、まぁいっか。それより、私慧に電話なんてしたかな? 全然記憶ないんだけど、酔ってかけちゃったのかなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!