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「うえぇ、気持ちわる……」
目を覚ますと、すぐに頭の痛みと微妙な気持ち悪さに襲われる。完全に二日酔いだよねこれ。昨日相当飲んだからな〜。
ズキズキ痛む頭を押さえながら身体を起こすと、大きなビニール袋を持った慧と目が合う。んん? なんか部屋がめちゃめちゃ綺麗になってる?
「おはようございます」
「……おはよ」
この光景、思いっきりデジャヴを感じるんだけど。
無表情の慧に愛想笑いを返したあと、布団の中身をこっそり見る。うん、とりあえず大丈夫。昨日の服のままだけどちゃんと服着てるし、慧も服着てる。
「あの、ありがとう。もしかして掃除してくれた?」
「汚すぎて腹立ったんで」
「あはは……申し訳ないです……。
あと昨日ってさ、あんまりよく覚えてないんだけど、私、また慧に迷惑かけたりした?」
「ああ、昨日ですか。キスしかしてないので大丈夫ですよ。キスだけならノーカンですよね」
ひえっ。これ以上ないくらいに嫌味たっぷりな返しじゃ〜ん。
ひとまず何もなかった(?)ことにはホッとしたけど、真顔でそう言ってのけた慧に思わず顔を引きつらせる。絶対怒ってるやつだよ。
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