5、楽しい夜なら問題ないよね?(問題あります)

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「それと、少しは部屋の片付けもした方がいいですよ」 「あ、ハイ」 「出したものはその日のうちに片付ける。後から片付けようと思うから、やりたくなくなるんですよ」 「はい……」  相変わらず感情の読めない表情で説教してくる慧に返す言葉もなく、小さくなって素直にうなずく。一応先輩なのに、後輩に説教されて情けない。 「慧ってさ、なんか……あれだよね」 「なに」  説教されてるうちに、そうとしか思えなくなってきた。  悪いことをしたらちゃんと叱ってくれるし、距離を置かれたりもするけど、どれだけ私がやらかしても見捨てないでくれる。文句言ったり説教しつつも、なんだかんだ面倒見てくれて。 「お母さんみたいだよね」 「やめてください」  にっこりと笑いかけると、慧は心底嫌そうに顔をしかめる。 「え〜でもさ、」 「時間ないんで、もう行きますね」 「あ、うん。またね」  バイバイと手を振ると、慧も小さく頭を下げ、そのまま部屋から出て行った。
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