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「ね? 慧もにんにく食べたから、臭くないでしょ?」
「そうですね。にんにく食べて正解でした」
しれっとそんなことを言う慧との距離をぐっと詰め、にっこりと笑いかける。
「私とキスしたかった?」
「うん」
後頭部を片手で掴まれ、ぐいっと引き寄せられると、再び唇を重ねられた。わずかに開いていた唇の隙間から、熱い舌をねじ込まれる。
「んっ」
口の中を舌でなぞりながら、慧の手が私の服の裾から入ってきた。ちょうどそのとき、私のスマホが震えたけど、二人してそれは無視。
スマホがブルブル震えるなか、慧の手が直接私の背中を通って上の方へと這っていく。その手が私のブラのホックにかかったとき、一際大きい着信音が慧のスマホから鳴り始めた。
「さすがにこれ放置してたら近所迷惑になるよね」
たぶんさっきアプリつけてくれた時の設定のままになっちゃってたんだよね。
「電源切っておけば良かった」
苦笑いを浮かべて慧と目を合わせると、慧はすっと立ち上がり、忌々しそうにスマホを手に取る。
「はい」
慧が電話してるうちに私もスマホのチェックしとこっと。カバンの中からスマホを取り出してタップすると、一花からの着信とメッセージが来ていた。
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