6、今のままが一番良いんです

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「上手く言えないんだけど、なんていうか……そうだ、彼女が欲しいなら誰か紹介しようか?」 「そういうことじゃないです」  だよね。どうにか言い訳を探してみたけど、下手な提案をばっさりと切り捨てられてしまった。 「俺は———」 「うん」 「彼女が出来たら、他の女の子とは二人きりで遊びません。彼女にもそうしてほしい」  射抜くような目でまっすぐに見つめられ、思わず息をのむ。そっか、慧に彼女が出来たら、今みたいには会えなくなっちゃうんだよね。    それは寂しいけど、でも、やっぱり無理だ。  だって、今改めて思ってしまった。  私と慧は絶望的に合わない、って。  私は、きっと慧が望むような彼女にはなれない。  私みたいないい加減でだらしない女が慧みたいにちゃんとした人と付き合って良いわけがないよ。そんなことしたって、慧を不幸にするだけ。  慧と目を合わせると、やっぱり慧はまっすぐに私を見つめていて、いたたまれなくて乾いた笑いをこぼす。慧のその目が大好きだけど、大嫌いだよ。
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