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サークルが終わり、結局家で飲んだのは少しだけで、すぐにカラオケに行くことになった。
コンビニや部室に寄っていったみんなよりも先に一花とカラオケに来て、歌う曲を探す。
「本当に慧と付き合ってないの?」
「ん〜? うん」
「何で付き合わないの?」
隣に座っている一花に話しかけられ、適当に返事をしていたけど、しつこく聞かれて一花の方を見る。
「友達でいたいから」
「友達ね。今までののんだったら、男と良い感じになったらソッコーで付き合ってたじゃん」
「うん、そだね」
「何で慧とは付き合わないのかなって。慧の何がダメなの?」
「慧がダメなわけじゃなくて、ダメなのは私。
慧だったらもっと良い子と付き合えるはずなのに、わざわざ私みたいなダメ女と付き合わなくてもいいよね」
「それって、慧と付き合わない理由にならないよね。慧が気にしないんなら別に良くない?」
真剣なトーンで聞かれたから私も真面目に答えたけど、一花にまで慧と同じようなことを言われ、視線を泳がせる。
「本当は別の理由があるんじゃないの?」
「別の理由って?」
「ん〜たとえば……」
「恩田先輩のことが原因だって言いたいの?」
言い淀んだ一花に自分から切り込んでいくと、一花は気まずそうに目を伏せる。
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