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日付が変わって少し経った頃にお開きになっ
たけど、いつのまにかみんな散り散りになっていて、大学に着く頃には慧と一花しか側にいなかった。
「それじゃあ、私はここで。慧、この子のこと送っていってあげてね」
「何で? 一花は? 今日泊まっていかないの?」
「彼氏が迎えに来てくれるから」
「あ、そうなんだ。先輩によろしく。また明日ね」
手を振って一花と別れ、大学から家に向かって歩き始める。
「来てくれてありがとう。やることあったんじゃない?」
部屋の掃除までしてもらった上にいきなり呼び出したりしてさすがに申し訳ないなと思って声をかけると、慧と目が合う。
「花音先輩から来てって言われたから。他の人から言われてたら来てませんでした」
至近距離で見つめられ、思わず息をのむ。
告白?を断ってから気まずくなるかなと思ったけど、何事もなかったかのように慧は接してくれる。かと思えば、時々ぶっこんでくるんだよね。
「ほんとかな〜。可愛い子から誘われたら行くくせに〜。みくちゃんとかさ」
「何でいきなりみくが出てくるんですか」
「仲良いでしょ。年も同じだし、お似合いだと思うよ」
同じサークルの一年の名前を出してニヤリと笑うと、慧はあからさまに嫌そうな顔をした。
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