1、後輩の童貞を奪ってしまいました

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 三日後の金曜日。  午前の授業を終え、友達と学食で昼ごはんを食べながらしゃべってたけど、スマホの時間を見て立ち上がる。 「時間だから、そろそろ行くね」 「のんちゃん、今日サークル? 軽音だっけ」 「うん、そうだよ。金曜はサークルの日なの」  また月曜にね、と手を振って、食器を片付けてから、部室のあるサークル棟に向かう。  火曜と金曜は部活・サークル活動の日と大学で定められていて、午前中しか授業がないんだ。ガチめの部活なんかは火曜と金曜だけじゃなくて週5・週6で活動してるし、部活でもサークルでも入るか入らないかは自由だけど、大学生活をエンジョイしたい私は軽音サークルに所属してる。  中学は合唱、高校は軽音部に入っていて歌は好きだけど、大学に入ってまでは部活はやる気はなかったんだ。勉強もあるし、一人暮らしだからバイトもそれなりにがんばらなきゃいけないし、遊びたいし?  そんなわけで、週2でゆるく活動してる軽音サークルに入ったけど、好きなことも出来て、気の合う仲間もいて、けっこう楽しみなんだよね。    ただ三日前に慧とあんなことがあったばかりだから、ちょっと気まずいんだけど……。どうするかなぁ。 「あ」  そんなことを考えていたら、サークル棟の入り口のところで慧とばったり会ってしまった。肩から黒のギターケースを下げた慧は、私と目が合った瞬間にわざとらしく視線を逸らす。 「……どうも」  視線を逸らしたまま慧は軽く頭を下げ、そのまま前を行こうとする。  予想はしてたけど、そんなあからさまに避けなくても。いや、私が悪いのは分かってるんだけど。  でも、せっかく今までは仲良くやれてたのに、このままずっと気まずい関係なんて嫌だよ。
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