8、彼氏(仮)になってくれませんか?

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「俺の気持ちはとっくに気づいてたくせに」 「……。気持ちは嬉しいけど、私のこと好きでも良いことなんて何もないよ」 「そうやっていつもよく分からない理由でごまかして、本当は俺のことどう思ってるのか全然言ってくれないじゃないですか。 興味ないってはっきり言われたら、さすがに諦めます。でも、今のままじゃ諦められない」  じっと私を見つめてくる慧の視線に耐えかね、目を泳がせる。 「少し、考えさせてもらってもいい?」 「分かりました」  苦し紛れにそう言うと、慧は無言でケーキを食べ始めた。  どうにかこの場を乗り切ろうと「考えさせて」なんて言っちゃったけど、考えるって何を?  慧と付き合えない言い訳?  それとも、付き合うかどうかを考えるの?  考える考えない以前に、何を考えればいいのかも分からない。もうどうしたらいいのか分からなくて、とりあえず今は目の前にあるケーキを食べるしかなかった。
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