8、彼氏(仮)になってくれませんか?

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「何回キスするの」 「してほしそうな顔してるから」  裸にしてベッドに押し倒してるというのに、身体にはほとんど触れずに何度もキスをしてくる慧に文句を言うと、しれっとした顔でそんなことを言われた。 「慧とキスするの大好き」  下から慧の首に手を回し、自分から慧の唇にキスをする。  そんなにキスするのが好きだって思ったことないけど、慧とキスするのは好き。柔らかい唇の感触と溶け合うような感覚が気持ち良くて、何回もしたくなる。 「キスしかしないなら、服脱がせる必要なかったね」  慧のほっぺをむにっとつまむと、やんわりとその手を払われた。 「キスだけで終わるつもりないですよ」 「ぁ、ん……」  左胸をむにむにと揉まれ、もう片方の胸の先端の周りをなぞられ、じれったい刺激に思わず身をよじる。慧に触ってほしくてさっきから硬くなってるとこをぎゅってつまんでほしいのに。 「慧、ぎゅってして?」  下から手を伸ばしておねだりすると、ぎゅっと身体を抱きしめてくれた。これも嬉しいけど、こうじゃない。 「分かっててやってるでしょ」 「ごめんなさい、花音先輩の反応が可愛くて」  含み笑いしてる慧にムッとした顔をすると、ますます楽しそうな顔をする。意地悪だ。 「なんか面白くない。初めての時の慧はあんなに可愛いかったのに」 「可愛い男が好みですか」 「どっちも好き」  手が震えるぐらいに緊張しちゃってた慧も可愛かったけど、少し余裕が出てきた慧も悪くない。 「本当は、今も少し緊張してます」 「そうなんだ? 可愛いね」 「またそういう。花音先輩は緊張なんてしないんでしょうね」 「どう思う?」 「……。今は無理かもしれないけど、余裕をなくした花音先輩がいつか見てみたい」  それだったら、もうとっくに見せてるのに。  慧に見つめられるだけで、慣れてるはずの私も簡単に余裕なんてなくなる。……言わないけど。  目を合わせて笑みを浮かべると、噛みつくようなキスをされた。口の中に舌を突っ込まれ、胸を揉まれる。
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