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昼過ぎから始まったバーベキューは夕方を過ぎても続き、結局一花と一緒に家に帰ってきた時には19時を回っていた。
「おじゃましま〜す」
「どうぞどうぞ〜散らかってるけど〜」
ありとあらゆるものが散らばった酷い惨状の部屋を見ても一花は全く動じず、床に散らばった書類や服をざっとふちに寄せてスペースを作る。クローゼットから出した予備の布団を床に置くと、一花はそれを広げてその上に横になった。
「シャワーどうする?」
「休憩してからにする」
「ん、分かった」
「じゃ、何があったか早速聞かせてもらおうかな」
私も自分のベッドに横になると、いきなり本題に入った一花に慧と何があったのかをざっくりと話す。
「———で、怒って帰っちゃったんだよね」
「それはアンタが全面的に悪いね。デリカシーなさすぎ」
「ねぇ、何でいつも慧の味方するの? たまには私の味方もしてくれないかな。本当に親友なの?」
全部話し終わると、そう断言されてしまい、身体を起こして一花に抗議する。私が悪いのは分かってるけど、そんな一言でバッサリ切らなくても良くない?
「味方出来るような要素ないじゃん」
一花に言い返されて、たしかにと納得して上半身を元の位置に戻す。
「でもさぁ、使い残しのゴムがどうの言われてもね。箱で買った方が安いんだし、毎回捨てるのももったいなくない? 相手が用意してくれてるか分からないんだし、自分の身は自分で守らないと」
「そもそも彼氏いないのにゴム用意してる方がおかしいよね」
あ、そっか。普通は彼氏いなかったらえっちしないんだから、ゴムを用意する必要もないんだ。
「正解」
納得して認めると、呆れたような目で見られた上にため息までつかれちゃった。
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