9、これで良かったんだよね?

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「私、松尾先輩と別れたんだ」  何を言うべきか迷っていると、ボソリと呟かれた一言に驚いて一花の方をバッと見る。 「今度は何でよ」 「いつものアレじゃなくて。本気で別れたの。 お互いに連絡先も消して、もう会わないようにしようってなった」 「え? 本当に?」  言われたことが信じられなくて、ベッドの上から一花の顔をマジマジと見つめると、一花はこくりと頷く。 「大丈夫なの?」 「かなりキツい。今も会いたいし。 でも、このままじゃ良くないなって思ったんだ」 「そっかぁ……、そうだよね」 「うん、ほんとはさ、もうとっくに終わってるって分かってたんだよね。もっと前から終わってたんだよ、私たち。それを認めたくなくて、粘ってただけ」 「……うん」 「もういい加減前に進まなきゃダメかなって。 今はまだ辛いけど、また新しい恋だってするつもりだよ。出来るか分からないけど、そうしたいって思ってる」 「一花は強いね」 「のんは? どうするの?」     布団の上にいる一花から見つめられ、返答に困って視線を泳がす。
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