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「もしかして、緊張してます？」
「〜〜〜っ。何で言うかな。そういうの、気がついても指摘しないのがマナーだよ」
「すみません。もう何回もメシ行ってるし、今さら緊張なんてしないと思ってたんですけど、さっきから挙動不審なんで」
「そうだよ、ガラにもなく緊張なんかしちゃってますよ。慧がデートとか言ったり彼女扱いしたり、意識させるようなことばっかりするから」
ああ、もう最悪。初めて付き合うわけでもないのに、今さら純情ぶって何になるんだか。
でもでも、そのせいでご飯は全然喉を通らないし、慧としっかり目を合わせられないし。冗談にして誤魔化してみても隠しきれないほど、私は挙動不審だったんだと思う。
「俺のせいですか」
「はい、そうです」
「ずっと好きだった人とやっと付き合えたんだから、彼女扱いぐらいさせてくださいよ」
「う……。いい、ですよ？」
「何で敬語？ 怒ってます？」
「怒ってないけど、恥ずかしいのっ」
「なんか可愛いですね」
「やめて」
最初のデートからこんな失態見せるなんて最悪。こんなはずじゃなかったのに。
私は自己嫌悪に陥ってたけど、慧はちょっと嬉しそうにしているのがまた心をえぐる。
はっきり指摘されたからか逆に私の緊張もほぐれてきて、そのあとは普通に話せるようになったことだけが救いかな。
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