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「そっちは?」
「え?」
「花音先輩も俺のこと好きなんですよね?」
「あ〜……」
話しかけられて顔をあげると、真剣な顔をした慧と目が合った。どう考えても、これははぐらかせない雰囲気。何で好きになったのか言ってほしいってことだよね?
「正直に言うけど、慧のことは最近まで友達としか思ってなかったんだ。……あ、えっちは気持ち良かったんだけどね?」
「友達としか思われてないことは分かってたので、よく分からないフォロー入れなくて大丈夫ですよ」
「あ、ハイ。でね、でもなんか、なんでだろうね。慧みたいに本気で私のことを心配してくれた人は一花以外初めてで、そういう風に本気で来られるのがちょっと怖かったりしたんだけど、でも本当は嬉しかったのかな。
いつのまにか慧のこと好きになってた」
自分でも何言ってるかよく分からないけど、こんなので大丈夫だったのかな。
慧は私の話をじっと聞いていたかと思えば、座ったままじりじりと距離を詰めて、顔を近づけてきた。———あ。慧の顔がどんどん近づいてきて、心臓がドキドキして爆発しそうになる。
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