177人が本棚に入れています
本棚に追加
「———もういいです。俺からします」
「え、ちょ、……ん」
いつまでも私からキス出来ないでいたからかな。焦れた慧にぐいっと身体を引き寄せられ、止める暇もなく唇を重ねられる。
「ん、んんっ」
後頭部を押さえつけられ、舌で乱暴に口をこじ開けられ、中を暴かれる。
今までに慧としたキスよりも衝動的で、ちょっと強引だったけど、でも慧が私を強く求めてくれていることが伝わってきてすごく嬉しくて、ドキドキする。
「けい、すき……」
キスの合間にうっとりと慧を見つめると、ベッドに押し倒されてしまった。服をぐいっと上に持ち上げられ、ブラの上から胸を揉まれる。
どうしよう。私に触れる慧の手が、私を見つめる慧の目が熱くて、どうしようもなくドキドキしておかしくなりそう。
「あ、ま、……まって。やっぱりちょっと待って」
今さら純情ぶっても仕方ないけど、恥ずかしくて死にそう。
性急に事を進めていく慧を止めようと手で押し返したけど、その手を掴まれてベッドの上に縫いとめられる。どうしようもなくなって慧を見上げると、真剣な目をした慧と目が合った。
「待てない」
「あの、」
「俺がどれだけ花音先輩のことが好きか、花音先輩は全然分かってないんだ」
「え〜っと……慧?」
切羽詰まったようにそう言われ、どうすればいいのか分からなくなって、とりあえず笑っておく。
「真面目に告白しても何回もはぐらかされて。それでも諦めきれなくて。俺がどれだけこの日を待ったと思ってるんですか」
「慧……」
告白じゃないと思って流しちゃったけど、そういえば慧は初めてえっちした日の朝にも付き合おうって言ってくれてたんだ。それからも何回も言ってくれて。その度に私はそれをはぐらかしてたけど、それでも慧は私を好きでいてくれて……。
「もう限界です。抱かせてください」
「……、はい」
言葉以上に熱いその目から慧の気持ちが伝わってきて、気が付いたら私はそう口にしていた。
最初のコメントを投稿しよう!