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「あの、あなたどこまでわたくしの邪魔をするのですか? これはわたくしが止ませた雨ではありませんか」
突然横から入って来たおじさんに少女はムッとした表情で言うが、これにおじさんも反論する。
「なに言うとんねん。わしの力は遅効性やからちょうど3分経った今効力が発揮されたんやろが」
「はぁ? あなたね、ペテンも大概にして頂けませんか?」
「ペテン師はお前やろが。なんかわしの能力に便乗したんかしらんけどやな。ちょうどわしが能力使ってから3分後くらいに能力使ってお前の力でやったみたいにされたらわしもええ迷惑やで。商売あがったりや!」
2人の自称能力者たちの口論は長くなりそうだった。その間にすっかり雨は止み、雲の隙間から日が差し、あっという間に夏の日差しが戻って来た。
もう急ぐ理由もなくなったが、洗濯をし直さなければならないのでトボトボと家に向かう。2人とも口論に夢中になっており、僕のことはすっかり眼中にないようであった。
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