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マラソン大会当日の朝、陽斗は父と母と出かけて行った。
「本当に来ないのか?」
「いいのよ、陽斗くん。あの子は一度言い出したら頑固なんだから」
「行きたくない者は、放っておけばいいさ」
私は そっぽを向いたまま、彼らの言葉を全部無視した。
いや、本当は気になって仕方がなかったのだけど。頑なに拒否してしまった手前、今更行くとは言えなかったし、行く気にもなれなかった。
陽斗が選手として走る姿を目にしたら、益々自分が惨めになりそうだった。
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