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蛍が素直に答え、頷いた後…
渉は右手を彼女のウエストに回し、引き寄せた。
左手は眼鏡を外し、胸ポケットにしまい込む。
そうして…五人をジロリ、と一瞥。
「それが、何だ?」
何時もの穏やかさは既に無い。
「「ひっ…」」
突如、全身から金色のオーラが燃え上がり…
それを目の当たりにした、蛍と剛以外のクラスメイト達は小さく悲鳴を上げた。
「“俺”が『良い』って言ってんだろうが。
文句、あんのか?」
「い、いや、そのっ…」
「え、っと…」
「あ゛?」
「「ひぃ」」
恐る恐る口を開く山門兄弟を、渉は更に睨みつけた。
直後…二人はベタリ、と床に座り込んでしまった。
「ヘタレが。んな奴等が俺に意見するなんざ、一億年早ぇ。
ハウスっ!!」
「「ぁうっ!?」」
恐らくは最大限であろう。
渉が睨み付けつつ、机を指差し山門兄弟へと声を上げた。
直後、彼等は反射的に悲鳴の様な声を上げ、机の下へ。
“潜り込む”と言うよりも…
“飛び込む”と言う表現が正しいかも知れないが…
「で?」
山門兄弟を“退散”させた後、渉は残りの三人を睨み付けた。
「お前等は、どうされたい?
親類のよしみだ、選ばせてやる」
「あ、あ…」
「ぅう…」
蒼白な顔で震え、声にならない声を上げて怯えきった三人。
そんな彼等に、渉は容赦無く追い打ちを掛けた。
「俺は気が短ぇんだが?」
早くしろとばかりの台詞の後、更に睨み据える。
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