子は親に似る

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子は親に似る

 俺の親父は堅物だ。年頃の俺が女の子に目移りしようものなら、 「昔は男女七歳にして席を同じゅうせず、と言ってだな」 等と堅苦しいことをいう。俺の友達は皆スマホを持っているのだが、親父は買ってくれなかった。曰く、 「あんなもの持ったらろくでもないことに使うに決まっている」 という事だった。そんな訳だから、友人達の様に携帯でエロサイトを見る訳にもいかず、俺はコッソリエロ本を買いに行くのだった。  ある日、エロ本を隠していたことが親父にばれ、 「けしからん」 と怒られた。俺は内心、いつか息子を持つことになったとしても、こういう父親にはなるまい、と思った。そして、ある疑問が湧いた。親父だって男なのに、エロいものを見たりしないのだろうか?  俺は疑問を確かめるべく、親父が留守の間に親父の本棚を漁った。そして、背表紙ではなく、小口の方をこちら側に向けて仕舞ってある本を見つけた。これはもしや……と思って手に取った。やっぱりだ。親父だってエロ本を見るんじゃないか。偽善者め。一体どんなの見てるんだ? 俺は本を手にとってページをめくってみた。 「……」 俺とオカズの趣味が同じだった。俺はその夜、ベッドの中で泣いた。
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