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信じられない。
本当にどれだけ、どれだけ傷ついたと思ってるんだ。
バカにされてる気がして、怒りが頂点に達した
私に彼はもっと信じられないことを言う。
「妬くか試したんだよ。
椎花の気持ちが分からなかったからな。」
あの、いつも態度の大きい拓海がポツリと溢す。
でも冗談だとは思えなかった。
きっと本当は言いたくなかったんだろう。
だって今まで怖いくらい私を見つめてた瞳が
揺れて、視線を反らしたから。
こんな姿見たことない。
「言えよ」
ふっと顔を上げた彼は私の顎を掬った。
「椎花は俺が他の女と遊んでていいのか?
付き合っていいのか?結婚していいのか?」
「私は…」
「お前のその口で、俺にどうして欲しいのか
言ってみろよ。」
あり得ないくらい心臓がバクバクしてる。
緊張から体が震えた。
なかなか言葉に出来ない私の唇に彼の指が微かに
触れる。
それが合図になった。
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