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熱く深く甘いキスに酔いしれて頭がクラクラして
きたところで、彼は急に唇を離した。
唇に残った温もりのせいで、何だか寂しくなる。
そんな私を置いてテーブルに向かった彼は
おもむろに婚姻届をとるとビリビリと勢いよくそれを破いた。
正にあっという間の出来事。
婚姻届の紙吹雪が宙を舞う。
「明日出しに行くぞ。」
「えっ?明日?婚姻届を?」
「今日がよかったのか?」
「そうじゃなくて…」
いくらなんでも早すぎないかなってことを言いた
かったのに、彼は待ってくれない。
唖然としている私にまたズカズカと近づいてきた
と思ったら、ぐいっと腰を引き寄せられる。
ピッタリとくっつく体と体。
耳元に吐息がかかった。
「今日は無理だ。
これから忙しいからな。」
「い、忙しいって…?」
「覚悟しとけよ。しぃちゃん。」
そう言ってニヤリと笑った彼に、悔しいけど
ドキドキさせられる。
そして私が何か言う前に、簡単にベッドに放り
込まれた。
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