深夜2時のワンルーム

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「それはおやすみが悪いね。お姉さん、ショックだったと思うよ。多感な時期だもの」 そう話す彼女は、グリグリと僕の胸に顔をうずめている。 そろそろ彼女の頭が乗っかっている腕の部分が痺れてきた。 「うーん、でも姉さんも自分の名前にそんなに悩んでいるようには見えなかったからさ」 2つ上の姉は、弟の僕から見ても美人で頭が良く、友達も多かったし彼氏だって中学生のときからいた。 だからかな。 ‟朝野(あさの) おはよう”というその名に悩んでいるなんて、一ミリも感じていなかったんだ。 「おやすみは女心が分かってないね」 「まぁ…それは否めないかな」 「でもさ、おはようっていう名前の方が語呂が良くない?だって名字が朝野だし」 語呂…の問題なのだろうか。
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