深夜2時のワンルーム

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「まぁ今となってはどっちでもいーな」 痺れた腕を徐々に彼女の頭から離しつつ、僕はそう答えた。 そう、もうおはようだろうが、おやすみだろうがどっちでも変わらない。 大人になった今、心からそう感じる。 「えー!ダメだよ!おやすみはおやすみでなくっちゃ!」 あと少しで完全に離れそうになっていた僕の腕を、グイッと引き寄せ自らの頭の下に戻した彼女はそう言って口を尖らせた。 「なんで?」 「うーん」 そして数秒考えた後にニコッと微笑み、また僕の胸元へ顔をうずめる。 その状態で、ポツリポツリと口を開いた。 「このままね、10年、20年、おやすみと一緒にいて50年…うーん、60年経った頃にね、私はポックリと死んじゃうの」
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