深夜2時のワンルーム

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彼女が先に死ぬこと前提なのか。 それはなんか嫌だなぁ。 「僕を一人にしていく気?」 「うん。もちろん」 そう言い切った彼女は、またふふふと笑っている。 「私が死んだ時にね、おやすみに"おやすみ”って言って欲しい。"おやすみ、また会おうね”って」 「どうして?」 僕の胸から顔を離し、少し眠そうな、トロンとした目で彼女は僕の顔を見上げる。 「大好きな人の名前を大好きな人の声で聞くの。幸せな最期だと思わない?」 にこりと微笑み、首を傾げ僕を見上げる彼女を、そのまま力強く抱き締めた。
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