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「ケホッ……実花、お前……流石に今のは酷くねぇか!?」
「あんたの方が酷いわぁ!」
すかさず突っ込む。
ちょっと首絞められたくらい何よ!?
私がされている被害に比べたら可愛いモンじゃない!
「っのヤロー……流石の俺も本気で怒るぞ?」
数歩離れたところで警戒心むき出しで構えていると、カイがいつもより低い声ですごんだ。
私は思わずゴクリとつばを飲む。
ウソ……。
もしかして本当に怒った?
いつもより怖いカイを見てそう思う。
私は逃げたいと思ったけど、すくんだ足は動いてくれなかった。
だから、近付いてきたカイにまた腕を掴まれてしまう。
「ひっ」
怒りに燃えた瞳で見下ろされ、私は喉を引きつらせる。
このまま何かされるんじゃないかということに対しても怖かったけど、怒りを顕わにしているカイ自身も怖かった。
カイはそんなわたしを見下ろしたまま、自分のシャツのボタンを外し始める。
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