第五話 演劇練習

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 二人とも転入してきたばかりということになっているのに、『何でそんなに親しいんだ?』と聞かれた場合説明に困る。  だから私は呆れのため息だけにとどめた。  そしてそのため息は私以外の人もしている。  ミヤちゃんもその一人で、ため息をついた後重々しく口を開いた。 「……仕方ないなぁ……。こうなったら私が直接指導してあげるよ」  ミヤちゃんがそう呟くと、他のクラスメイトがどよめく。  え?  何?  どうしたの?  私は戸惑いながらも、クラスメイトの言葉を聞き取った。 「金木が指導するって?」 「戒くんかわいそう……」 「アイツ死んだな」  …………。  何だろうこの言われよう。  皆ミヤちゃんのこと恐れてる?  クラスメイトの様子を見るとそんな感じに見える。  もしかして、何気にこのクラスを牛耳ってるのってミヤちゃん?  最近の彼女の様子を思い出してもそう思う。
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