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でもその表情は長くは続かず、突如苦しげなものに変わる。
「ぐぅっ」
と呻くと共に仰け反るように倒れて行く。
何が起こったのかと思った瞬間、ミヤちゃんのニッコリとした笑顔が見えた。
彼女はカイの制服の後ろ襟を掴んで引き倒している。
身長差があるため、カイは首を絞められた状態になっていたんだろう。
彼は首を押さえて軽く咳き込んでいた。
それにしてもミヤちゃんはどれだけ力があるんだろう。
小さくて可愛らしいミヤちゃんが、二倍ほどもありそうなカイを引き倒した。
見た目はまんま女の子の細腕なのに、どこからそんな力が出てくるんだろう?
不思議に思っていると、ミヤちゃんはカイの襟を掴んだまま口を開く。
「戒くん何やってるのかな? さっさと練習始めよう?」
口調はいつもと変わらなかったけど、その変化の無さが逆に怖い。
だって、平然とカイを引き倒しておいてそれだもん。
普通怖がるって。
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