第五話 演劇練習

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 とりあえず早めに終わらせるからと言っていたから、しばらくはこの景色を見て時間を潰そう。 「あ、そうだスマホ」  この綺麗な風景を写真に残しておきたいと思って、鞄からスマホを出してまたフェンスの近くに戻って来る。  何枚か撮って満足した私は、ポケットにスマホをしまいまた景色を眺めた。    それにしても……。  夕日を見つめながら、さっきのことを思い出す。  さっきのカイの演技……。  演技したことないって言っていたし、まともに出来るとは思っていなかった。  でもまさか……。 「あそこまで大根役者だったなんて……」  笑えるのを通り越して呆れのため息しか出てこない。  前に劇が成功したら抱かせろとか言っていたくせに、これじゃあ成功なんかするわけないじゃない。
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