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弥生は糢袈の唇を塞いだままの状態で、着衣していたスーツの上着を乱雑に脱ぎ捨てると、ネクタイを素早く外し、ワイシャツのボタンも上から一つずつせっかちに外してゆく。
そうして糢袈の作業服を首元まで捲し上げ、真っ平らな胸板に顔を埋め、豆粒のような乳頭を指先で捏ねくり回すようにして摘まむと、歯で囓りつき舐めながら吸い上げた。
「頼むから、本当に待てって!!」
糢袈が大きな叫び声をあげたのは、けっして弥生の事を拒絶したからではなく、怒っている訳でも、叱咤したい訳でも、軽蔑している訳でもない。
そもそも、この時、弥生を性交渉に誘ったのは糢袈のほうなのだから。
「ノートに書かないと……」
糢袈はキスによって乱れた眼鏡を掛け直すと、一旦、弥生を落ち着かせるように言った。
そこでようやく欲望と快楽に翻弄されていた弥生も我に返り、少し冷静さを取り戻す。
弥生の手は既にベルトの金具が外された糢袈のズボンを下着ごと脱がし、昂る雄の象徴に手を伸ばし、その剥き出しに勃起した陰茎を咥内に含んで丹念にご奉仕するところだった。
「あ……、そっか。そうだね。ごめん、一番大事な事なのに……」
ひたすら本能の赴くままに突き進んだ己の行動を反省した弥生は、呼吸を整えようとしている糢袈から一旦身体を離した。
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