第五章

2/4
前へ
/71ページ
次へ
よく考えたら金子に預けていた金額と同額だと解ったけどでもあんな形でお金を渡されるのは気分が悪かった。 「あのお金は、もし返ってこなかったとしても別に良かったし彼が別れて欲しいと言ったら別れていたと思うの。」 彼から付き合って欲しいと言われて断る理由が無いから付き合ってなんとなく結婚という話になって別れる理由が無かったから別れ なかっただけだった。 「美夜は、俺に流されてたらいい溺れていたらいい。」 彼は、唇を重ねると舌で美夜の唇を刺激してから少し開いた隙間から舌を入れてすぐに口腔内を刺激してくる。フワッとした感覚が美夜を襲い「んっ・・」と声が漏れるのを楽しむかのように深く刺激してくる。 長いキスの後で力が抜けている彼女が可愛い。 「俺は美夜が好きだ。」 ストレートな彼の言葉に嘘は感じられないし彼の腕の中は安心できた。 「キョウ・・一緒にいてもいいの?」 「一緒にいてくれ。」 彼が自分の額を私の額に甘えるようにくっつけてきた。 彼と出会って時間はたってないのに一緒にいる時間が心地よくて恋人といる時間ってこんなに心地良いもなのかと思った。 一緒に料理をしたりDVDを見たりする時間を経験するのは初めてだった。 不意に彼がキスをしてきたりするのも嫌じゃない。 「今日は泊まっていくの?」 「泊っていいなら泊まっていくよ。でも何もしない自信はないよ。」 「キョウならいいよ。でも気持ちよくないかもしれないよ?」 「それは無いと思うよ。美夜」 彼は私の眼鏡を外すとテーブルの上に置いた。 「邪魔だから外すよ。綺麗だ。」 そんな事を言われたのは初めてだから顔が熱くなる。 可愛いとか綺麗とかそんな言葉を言われた経験はほとんど記憶にない。 あの男と付き合っていた時に最初は少しは言われたかもしれない心がそこにあったのかどうか今となっては疑わしい。 重なる唇も彼の指先も経験した事がないくらいに感じて気持ちいい。 首筋から鎖骨を愛撫する彼の唇に反応する体。 部屋着のボタンが外されブラを外されるまでただ彼の指先を追うように敏感に体が反応する。 チリっとした甘美な痛みが胸元に赤い印をつけその跡を彼の指先が触ると下半身が熱くなる。 「もっとつけていい?俺の印・・俺の美夜。」 頷くと彼は妖艶に笑ってキスをする。 「もっと感じたらいい。」 胸を愛撫するのも優しいけど容赦なく感じさせてくるから声が抑えられなくなる。 「声は押さえなくていい。俺は聞きたい。」 んっ・・ああ。 「可愛い・・。」 彼に溺れていくのもいい流れに身を任せる事にした。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2546人が本棚に入れています
本棚に追加