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「あの女さえ何とか出来たら俺は、荒井産業に戻れるんですよね?」
「ああ。」
金子は、美夜をどうにかして排除する計画を考える事にした。
認めたくは無いが神田美夜は、荒井産業で一定の信用を得ているとなれば、チョットしたスキャンダルでは排除は難しいだろう。
金子は、彼女と交際していた頃に彼女から聞いていた彼女と家族の関係性を思い出していた。
「課長には迷惑はかけませんよ。自分から辞職すれば問題ないですよね。」
「それが一番だが?」
この場で話す義理はない。
そんなリスクは犯さない。
金子は、この岩見を信用はしていないただ、男性至上主義で女性蔑視が強い男だから利用したまでで、何もかもが凡庸な男だと思っている。
単純で持ち上げてやれば思い通りに動く男が岩見だった。
「彼女が、手掛けているプロジェクトの資料だけ用意できませんか?」
「それは、すぐに手に入るが・・そんなもの鏡ホールディングスで役にたたないだろう?」
「たしかに、今の会社では無用です。僕の計画に必要なんですよ。荒井産業にも課長にも迷惑はかかりません、ただ僕が戻るのに必要
なだけです。」
岩見は、金子がいったい何を計画しているのは全く解らないがあの神田美夜が目の前から消えて、自分の腹心の金子が戻るなら彼女の
プロジェクトの企画書などどうでも良かった。
「明日にでも用意するよ。君のアドレスに僕の個人アドレスから送信するから履歴は消しておいてくれ。」
「はい。承知しました。」
この二人のやり取りの一部始終は全てママが聞いていたが、岩見は、彼女が自分だけの愛人だと思っていたから彼女の存在を心配して
いなかった。
ここでの話が外に出る事はないと思っていたのだった。
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