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波那は余計な武勇伝ではなかった事に心の中でホッとする。ここで麗未の悪行? を知られるのはマズイ。となるべく成績優秀路線の内容で乗り切る事にする。
「麗未さんのお話は中等部から通っている友人から多少伺っていたんです。ただこれまで酒の飲み比べで負けた事が無い体育学部の男性の先輩を酔い潰した、って話を聞いた時は驚きました」
やっぱりあった……波那は心の中で泣きそうになりながらも何とか笑ってごまかしていた。しかしこの事がきっかけで二人は親しくなり、近日中に友人を誘って遊びに行く約束をしたのだった。
約束の当日、波那と愛梨はそれぞれ二人の友人を誘ってグループデートをする。波那は丞尉と、彼の高校の同級生である正木大輔という男性を連れて行く。愛梨も大学時代のサークル仲間を連れて来ていた。そのデート中波那は愛梨には丞尉との方が気が合う様に見受けられた。語学が堪能だったり嗜好が似ていたりして、午後からは二人で行動する様になり、波那と正木は友人二人の相手をするとだけとなっていた。
この日はそれで別れ、それからひと月ほど経って愛梨と丞尉の交際がスタートした。波那はまたも仕切り直しとなったのだが、友達に恋人が出来たのは喜ばしい事であった。
グループデートの後、波那は二つのお見合いに参加した。
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