婚活編

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 「私の仕事は時間が不規則なので、結婚となるとどうしても旦那さんにも家事をお願いしたいのが本音です」  やっぱりそうだよね。波那は微かに手応えを感じていた。 「僕は出来る方が出来る事をやれば良いと思います。男も家事に参加すべきです」 「子供は欲しいと思っています、言葉は悪いですけど出産は女の特権ですから。ただ産休は短めにしたいんです、あまり現場を離れたくありませんから」  え? 凄くない? 彼は沙耶果にちょっとした運命を感じていた。 「僕も子供は欲しいです。ウチの会社社員全員が育児制度を利用できるんです。託児施設も社内にありますし、僕が育児を引き受ける事も可能なんです」 「それ良いですね、でも男性で利用されてる方って少ないんじゃないんですか?」 「でも最近は増えてきてるんです、僕は最大限利用したいですね」  ホントに? 沙耶果は意外そうに言ったが、笑顔だったので反応は悪くなさそうだ。波那はネックとなりそうな持病の事を正直に話した。 「生活への支障はさほどありませんが月に一度通院しています。その時は仕事を早退しますし、普通の男性の様に出世とかは望めないんです」 「私はそれぞれの事情に合う家庭を作ればいいと考えています。ご病気の事でしたらお役に立てる事もあると思いますよ」
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