婚活編

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 その問いにハイと頷く彼に対して仕事出来ない系? と一瞬思ったのだが、先ずは仕事振りを見てみようとタブレットを受け取った。  へぇ、良いの作るじゃない。そう思いながら資料の出来を見ていると、課長が、今日は上がって良いぞと波那に声を掛ける。時計を見ると四時少し前、就業時間は六時までなのに何故? と彼の顔を見る。 「今日は早退して病院に行くんです」 「へぇ、どこか悪いのか?」  沼口は訊ねてから、しまった! と罰の悪そうな顔をする。しかし波那は気にせずに、循環器系の持病があるとあっさり答えてきた。それでか……彼が一般職を選んでいる理由が分かり、タブレットの資料をチェックしてOKを出す。 「転送は来週頭にお願い。俺のタブレットまだ無いから、アドレスは届き次第教えるよ」 「分かりました、お先に失礼します」  お疲れさん。この時を境に波那に対する気まずさは払拭され、仕事仲間として信頼し始めていた。以来二人は公私共に親しくなり、波那にとって良き兄貴分となっていく。  そろそろ中元期という事で、営業部全員参加による決起集会が開かれる。この日は普段なかなか接する事の無い他の課の社員たちとの親睦を深める目的もあり、一課から五課まで総勢百名ほどが集合した。そんな中、一課の隣のエリアを担当する二課の女性社員と話をしていた波那の所に、パンツスーツ姿の長身美女がやって来る。 「紹介するね、こちら南愛梨(ミナミアイリ)さん。ウチの看板セールスレディよ」
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