呼び出し

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 数カ月後。 もう卒業まであと2ヶ月を切ったところだった。 僕は、彼女の方から話しかけられた。 「ね、ねぇ その……最近……話かけてもらえなくなっちゃった……よね どうして……?」 彼女の目は動揺し、怯えていた。 それは演技ではないと、その目を見て、僕は理解した。 「……昼休み」 僕がつぶやくと彼女は「え?」と間抜けな声を出した。 「昼休み、屋上に来れるかな」 彼女はニコッと笑って、僕の問いに「わかった」と答えた。 ……なんだか、その笑顔が引きつって見えた気がした。
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