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陽の傾きが変わっても、 雨が疎らに堕ちてても、 その動きは変わる事なく、 何時も同じ向きに動いてる。 同じ場所に異なる足で、 甘味を求める蟻の様に。 この世界は、 甘味など価値はない。 それ全て、 数の書かれた紙切れのために。 欲を隠して時は過ぎ、 三十余の影踏めば、 同じ動きの群れの中、 誰かが勝手に決めつけた、 ルールというレールに乗って。 大きな列車へ優待されれば、 後の暮らしは保証され。 自力でレールに乗っかれば、 手動のトロッコ汗をかく。 蟻たちは巣に戻り、 家族へ疲労をお土産に。 陽がまた昇れば、 甘味に群れる。 何度となく繰り返し、 後は最期を待つばかり。 この蟻たちにも、 死神は居て、 怠け堕落へ蟻地獄。 生は何事ぞ、 死とは誰がため。 ココにも蟻一命、 我も群がる点のうち……
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