藤岡…し

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藤岡…し

「はっはっはっはっ!いやぁ愉快だ…」 シリアスに引っ張ってはみたが、全員にバレる程のキャラだから無理だった 「…なぜここに学園長が…」 「んー?うんうん。 はっはっはっはっ!」 いや、説明しろよ…なにがはっはっはっはっだよ… 学園長「…うんうん。いやね、ここは学園の地下なんだよ。 この窓はフェイクでね。我が学園が誇る、素敵な映像、本物みたいな映像と体験をあなたに…という技術からできた物なんだよ…。 だからビルの7階に居るように見えただろ? はっはっはっはっ!」 「…何で7階なんですか 」 「うん…それはね… はーっはっはっはっはっ!」 バシタカ「特に意味はないと思うよ~みたいな」 いたのかお前。 相変わらずムカつくなこいつ。 「はぁ… 大いに愉快だ。 では説明しよう…。」 パチンっ! 藤岡…しが指を鳴らすと どこからともなく例の仮面…ライ…の ナレーションでお馴染みの…あの…例の… ほら… 「説明しよう!」 のナレーションが聴こえてきた。 「説明しよう! 後始末屋とはヒーローが倒した怪人や怪獣の死体なんかを片付ける後始末の仕事なのだ! 片付け方はその人に合った片付け方があり、解体するやり方もあれば 片津ケル人のようにツッコミで存在じたいをちゅどーーーーん!とできる者もいるのだ!」 …さすがは初代のスタントマン無しの男… なるほどな…説明も伝説級なのか… って、なんだよそれ。自分で説明しろ。 そんでもってツッコミで…って適当すぎ… はっ! 「…気づいたか、若人よ。つまりヒーローは…目の前に敵がいればそれをやっつける。ボロボロになろうとも…敵と相打ちに見せかけて必ず勝利する時も… ただただ目の前の敵を倒したら、そのままいつの間にか変身がとけて元の日常に戻ってしまうのだ…。敵の事は我々だけが使えるチート機能(回想シーン)によって時々思い出すことはできる…が、ほとんど忘れているのだ。 かく言う僕も… 他のヒーローの現場を大人の事情の垣根を越えて見に行った時に… ヒーローが倒した敵に見向きもせずにいつの間にか高いところに登り他の者と話している姿を目の当たりにしてだ… ん…そう言えば 自分の倒した怪人やイーの全身黒タイツの奴らはどこにいるんだ?…と…。初めて疑問に思ったんだ…。 そこでバシタカ君にね聞いた所…。あ、あれは後始末屋ってのに頼んでる~とね? つまり怪人製造側もね…余程の事じゃない限り回収すらしないというのだ…。 命あるもの皆平等なのにだ…。 ヒーローが大きくなって散々壊れた街や橙色の東京名物なんかも…いちいち建て直す訳にもいかない…。 そして我らヒーロー達も、いつの間にか直っているそれをまた壊し… よくわからん広場では誰が仕掛けたかわからん火薬で穴があいても必ず次には直っている…。 実に不思議だ とも思わずに過ごしていたのだ…。 しかし現場から外れると見える事がある… 自分とは別の現場に行くと…わかることもあるのだ。 そこで僕は後始末屋に電話してね…聞いてみたんだ。 ……彼らは僕らの影であり…ヒーローの後始末をしてくれる… 我らは日常に戻り気づきもしないからこそ とても有難い とても感謝…なんだ。 ヒーローに属さず、身のこなしもよく 顔は平凡でモブと同化し… 我々のキャラに押されることなく… 取り込まれることもなく 的確に処理できる… 君しかできないと判断した訳だ…!」 「いや!このセリフ量!!なげぇよ!」 バシタカ「これぞ主人公が使える長ゼリフってやつ…みたいな~」
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