楽しい夜の遠足

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楽しい夜の遠足

 僕はなかなか寝つくことが出来なかった。それは色々考え事があるというより、ただ身体が元気で体力が有り余っているからだと思う。 「仕方ないなぁ、羊でも数えるか。」  僕は前に母さんから聞いた寝つけない時にすべし3点のことを思い出して言った。一つは手のマッサージ、一つは子守唄、一つは羊を数えることだった。今、自分が一番気楽に出来そうなのは羊を数えることだと思った。 「羊が1匹。」  僕は目を閉じて小さく口に出して言ってみた。言い終わった後、頭の上でポンと音が聞こえた気がしたが、特に気にすることもなく羊の数を増やしていった。 「羊が100匹。」  ここまで言い終わると少し違和感を感じた。頭の上で何かが動いている。虫か?もしかしてゴキブリか?僕は目を開けるのが怖くなった。でも、開けなければ!思い切って目を開けてみると、視界が白くてふわふわしたもので覆われた。
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