血濡れた愛を

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薄暗い建物の中、大小様々な折の中に居る生き物を見て歩く。 人、獣の姿をした獣人や人の姿をして獣の耳と尾を持つ半獣人、それに魔物も檻の中に居て出して欲しいと手を伸ばしてくる。俺の眼の前を身なりのいい格好をしてシルクハットをかぶった小太りの豚の獣人が説明をしながら歩いている。 ここは魔女と呼ばれる魔術を使える者達の魔力供給源となる精を提供できる雄個体ばかりが集められている。このような精を提供する目的の雄個体をと呼んでいるらしい。 俺は真っ白な腰までの髪に真紅の瞳で、衣服は黒一色で世間ではと呼ばれているらしく、この薄暗い空間では異質に感じるだろう。 「種族希望などございますか?量を希望でしたらまぁ私のような豚人が良いと思いますが…」 「別に希望は無い。そもそも俺は供給されなければならないほど枯渇しない」 冷やかしかよと舌打ちが聞こえたが、その気になれば殺す事など容易いので無視をして続きを促した。しばらく進んで奥へたどり着けば、まだ奥への扉があるが引き返そうとした。 「その奥は?」 「あぁ!この奥は不良品ばかりですのでお売りできません」 「良いから見せろ」 俺の言葉にまた舌打ちをして扉の鍵を開けて進めば、ギィと重々しい音を立てて扉が開き更に暗い奥へ進んで電気を点ければいくつか檻があり、異様な物が入っていた。
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