1 ゲーセンとフラペチーノ

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1 ゲーセンとフラペチーノ

「お待たせ~」  孝弘が両手にフラペチーノを持って出てきた。 「お、サンキュッ」  右手に持っていた方を受けとる。欲を言えば、左手の方も欲しい! ……て、何考えてんだ、私。  私と孝弘は歩きだした。ストローに口をつける。 「でさあ、どこ行く?」  フラペチーノうまあ! 「え、何て?」  フラペチーノの感動で孝弘の言葉が耳に入ってこなかった。 「聞いてなかったんかい。どうせ他の男のことでも考えてたんでしょ」 「そんなことない、てかいない、他の男なんか!」  ……すみません、今フラペチーノと浮気していました。(もっと重大なことをしているけれど) 「で、どこ行く?」 「え!? 決めてなかったん!?」 「うん。別に今決めればいいかなあって思って」 「ええー、私はどこでもいいよ」 「じゃあ、カラオケ行くか」  そう言って、孝弘は逆方向へ歩きだそうとした。 「あ、やっぱりゲーセンがいい!」 「あ、そう?じゃあそうしよう」  孝弘は、また逆方向を向いて、私はそのままの方向で、歩いた。  ナイスアシストだ私。カラオケは大沢先輩の家方面だ。
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