77人が本棚に入れています
本棚に追加
/324ページ
1 ゲーセンとフラペチーノ
「お待たせ~」
孝弘が両手にフラペチーノを持って出てきた。
「お、サンキュッ」
右手に持っていた方を受けとる。欲を言えば、左手の方も欲しい! ……て、何考えてんだ、私。
私と孝弘は歩きだした。ストローに口をつける。
「でさあ、どこ行く?」
フラペチーノうまあ!
「え、何て?」
フラペチーノの感動で孝弘の言葉が耳に入ってこなかった。
「聞いてなかったんかい。どうせ他の男のことでも考えてたんでしょ」
「そんなことない、てかいない、他の男なんか!」
……すみません、今フラペチーノと浮気していました。(もっと重大なことをしているけれど)
「で、どこ行く?」
「え!? 決めてなかったん!?」
「うん。別に今決めればいいかなあって思って」
「ええー、私はどこでもいいよ」
「じゃあ、カラオケ行くか」
そう言って、孝弘は逆方向へ歩きだそうとした。
「あ、やっぱりゲーセンがいい!」
「あ、そう?じゃあそうしよう」
孝弘は、また逆方向を向いて、私はそのままの方向で、歩いた。
ナイスアシストだ私。カラオケは大沢先輩の家方面だ。
最初のコメントを投稿しよう!